かいこん ほこら
悔恨の小祠
雨は酷く粘着質だった。
それは普通の雨とは少し違うものだったのかもしれないが、動くもののないこの森では、植物がただその葉を濡らすのみである。
葉から葉へと糸を引いてつたう液体が、僅かな光を集めてきらりと光る……。
身体が重い。息が苦しい。
手足の感覚はもう無かった。
全身の熱が失われてゆく中で、マグマのような感情だけが心の真ん中に残っていた。
自分はもうすぐ息絶える。
それでも、この感情は消えることなく残るのだろう。
自分を責め立て続けた、この想いだけは……。
男は確信を持って、目を閉じた。
それは普通の雨とは少し違うものだったのかもしれないが、動くもののないこの森では、植物がただその葉を濡らすのみである。
葉から葉へと糸を引いてつたう液体が、僅かな光を集めてきらりと光る……。
身体が重い。息が苦しい。
手足の感覚はもう無かった。
全身の熱が失われてゆく中で、マグマのような感情だけが心の真ん中に残っていた。
自分はもうすぐ息絶える。
それでも、この感情は消えることなく残るのだろう。
自分を責め立て続けた、この想いだけは……。
男は確信を持って、目を閉じた。
PR
≫≫next「02」
かいこん ほこら
悔恨の小祠